ジャズピアノ練習帳

アマチュアジャズピアニストが、なんとか上級者の仲間入りしようと思い、練習のネタを書くブログです。

スタンダードナンバーの無料マイナスワン音源

マイナスワンを利用して練習することは多々あると思いますが、無料かつ高品質なマイナスワン音源があるので紹介しておきます。

バークリーの講師でもある Hal Crook の教材。

https://lrweb.berklee.edu/resources/playalongs/

 

お馴染みのスタンダードナンバーと同じ進行の曲のマイナスワンが揃っています。

ピアノが無いバージョンで練習するのも良いのですが、ピアノ入りの音源もなかなかいいものです。気持ちいいバッキングのお手本になりますので、じっくり聞いて勉強するのも有用です。

 

余談になりますが、スタンダードナンバーと同じコード進行の曲のタイトルが、ユーモアあふれていて、ニヤリとさせられます。

Four → Three and Me (3人と私→ 4人(four))

Beautiful Love → Beautiful Dove(発音が似ている)

 

なお Hal Crook は、今期で教職を辞めるらしく、いつまでこの教材が残るか分かりません。ダウンロードはお早めに。

 

リハモの練習(裏のツーファイブ)

G7 → C もしくは Dm7 → G7 → C など、

ドミナントモーションをリハモして、

Abm7 → Db7 → C

とする方法があります。

 

少し解説をすると、G7の裏コードがDb7です。Db7をツーファイブのファイブだとすると、ツーにあたるのは Abm7 ということです。

一言で言うと「裏のツーファイブ」です。

 

これを演奏時にリアルタイムに変換する練習をしてみましょう。

題材は There will never be another you。

 

元のコード進行(前半)※黒本参照

Eb△7  |     |Dm7-5   |G7     |

Cm7   |F7    |Bbm7    |Eb7    |

Ab△7  |Db7    |Eb△7   |Cm7    |

F7    |      |Fm7    |Bb7    |

 

これをこのようにリハモして練習します。

Eb△7  |     |Dm7-5   |Abm7 Db7 

Cm7   |F7    |Bbm7    |Em7 A7  

Ab△7  |Bm7 E7 |Eb△7   |Cm7    |

F7    |      |Fm7    |Bm7 E7 

 

練習の重要なポイントは、このリハモを書き込まないこと。

目では G7 → C を見ながら、頭の中で Abm7 → Db7 → C に変換するのがこの練習のポイントです。

 

なお、全部のドミナントモーションに当てはめるのは、エグ味が強すぎるので、練習だけにしてください。

9度に着地する練習

アドリブを自由に取るための練習として、狙ったタイミングで、狙った音に着地させるという練習法があります。

たとえば G7 → C に解決するときに、Cメジャーの9度であるDでフレーズを終わらせます。そのとき、単にDを弾くのではなく、全音または半音を経てDを弾くようにします。

そうすると「着地感」が出るわけです。

 

着地の例を見てみましょう。

f:id:takuaoyama:20160622050438j:plain

 

全音または半音で落ち着くと、フレーズの説得力が増します。

また9度というのもポイントで、9度というのは使えるケースが多く、気持よくサウンドする音なので便利なのです。

 

ドミナントモーション時のおいしい両手ボイシング

ドミナントモーションでメジャーコードに解決するとき、例えば G7 → C というコード進行の時に使える、おいしい両手ボイシングを紹介します。

f:id:takuaoyama:20160610055225j:plain

 

トップノートが半音ずつ上昇し、ベースが半音ずつ下降して、Cメジャーに落ち着きます。これを G7 から C に変わるところで使うのです。

 

おたまじゃくしで書くとこうなります。

f:id:takuaoyama:20160610060113j:plain

ゆっくり目のテンポの曲で有効に使えます。

いろいろなキーでできるように練習しましょう。

 

ディミニッシュコードのボイシング

ディミニッシュコードの片手ボイシングの基本です。

ディミニッシュの4音の最高音を全音上げてください。たったこれだけでジャズのテンション感が出てきます。

 

f:id:takuaoyama:20160529123433j:plain

 

ディミニッシュコードのときだけでなくて、ドミナント(セブンス)コードでもこれを応用できるのですが、それはまた違う機会に。

 

リディアンフラットセブン(リディアンドミナント)を使ってみよう

リディアンフラットセブン(リディアンドミナント)というスケールもなかなか使えるスケールです。

Cリディアンフラットセブンはこんな音の並びです。

f:id:takuaoyama:20160528061820j:plain

 

普通のドミナントコードのときにも使えますが、特に意識して使いたいのがダブルドミナントのとき。

たとえば、C7 → F7 → Bb というときのC7がダブルドミナントですね。

C7 から F7 に移るときに、F#からFに半音下がる動きが出て、これが美味しいサウンドになるのです。

f:id:takuaoyama:20160528062502j:plain

 

コードを先取りするバッキング

バッキングの基本的なテクニックとして、コードを先取り(先食い?)する方法があります。

 

たとえば、このようなツーファイブ進行があったとします。

f:id:takuaoyama:20160505233534j:plain

 

小節が変わるとコードが変わるように表記されていますが、これを少し無視して、半拍前に弾いてしまうわけです。そうすることで、ジャズならではの行儀の悪さを作りだすことができます。

f:id:takuaoyama:20160505233543j:plain

 

もちろん、このように長い音で弾いてもかまいません。

f:id:takuaoyama:20160505233549j:plain

 

ただし、ずっとこの先取りをやっていると、ワンパターン化してきます。先取りしたり、しなかったりする変化を付けていきましょう。